大正時代の西洋家庭料理

制作の小野です。
二十代の頃から「趣味が年寄りくさい」と笑われてきましたが
その頃より数十年、ようやく趣味と年齢が釣り合って参りました。
そう、私の趣味は「古書市・骨董市めぐり」です。

では早速、自慢のコレクションを紹介させてもらおうじゃありませんか!
品物はこちら↓

手輕に出来る家庭西洋料理
櫻井ちか子 著/実業之日本社

大正十二年に出版されたレシピ本です。
メニューもなかなかバラエティに富んでまして、
クラムチャウダーやローストビーフ、オムレツ、アップルパイ等々
現代と比べても遜色ない内容になってます。

これらの料理は日常に食べられていたものではなく
お金持ちのおうちの、特別な日のごちそうだったのかもしれませんが、
それにしても

・赤茄子=トマト
・西洋辛子粉=マスタード
・橄欖油=オリーブオイル
・西洋胡瓜酢漬=ピクルス
・果膏=ジャム
・上等澄羹汁(じょうとうすましじる)=コンソメスープ

など、きっとまだ一般には知られていなかった食べ物の名前を、
当時の言葉をなんとか駆使して説明しようとする作者の知恵と努力が
私には愛しくてたまりません(笑)

パセリはパースリー、セロリはセルリー、シチューはスチュー、
アーティーチョークはアテチョコと言ったんだそうな。
古本趣味、一度はまるともう病みつきです。